トモリとロロ - 過去設定
◾️前提
トモリとロロはリヴリーとホムの関係にあるが、互いにかけがえのない家族のような存在になっている。バーランド研究所内の施設で幼少期を共に過ごし、施設を出た今現在も2人で同じ家に住んでいる。
◾️トモリの出生について
トモリの母親は様々な男を相手に妊娠と出産を繰り返し、産まれた赤子を被験体としてバーランド研究所に売っては報酬をもらっていた。トモリもその赤子のうちの一人である。
トモリは運良く施設内で名前を付けられ育ててもらえたが、他の兄弟は様々な実験の被験体となり既に亡くなっているだろう。
母親はトモリを産んだ後も何度かバーランド研究所との取引を続けていたが、あるとき裏の研究内容を暴露することを匂わせ報酬の値上げを持ちかけてきた。研究所としては、信頼できない相手をそのまま帰すわけにはいかない。
その後、女の姿を見た者はいなかった。
◾️ロロが生まれた経緯
トモリが物心ついた頃から側にロロがいた。
トモリは肉親のことを知らされておらず、自分とロロが同じフラスコで生まれたのだと思い込んでいるが、実際はトモリは胎生で産まれ、ロロは3才になったトモリの遺伝子から産まれた人工のホムンクルスである。トモリはロロを同い年だと思っているが実際はロロのほうが3つ年下となっている。
ホムとは本来飼い主との思い出がフラスコで具現化され生まれてくる存在であるが、ロロは“既存のリヴリーの遺伝子を使って生み出す”、“ホム自身に自我がある状態を作る”という実験の一環で作られた。
生まれた時点で既に7歳ほどの見た目をしており、リヴリーより成長はやや遅く最終的に30歳くらいの見た目で成長は止まる。
ロロは元々人格の宿っていない器として生まれ、とあるリヴリーの魂を移されることで自我を持つようになった。本人にリヴリーとして生きていた頃の記憶はなく、事実を知るのはアドルフを含む一部の研究員だけである。
ちなみにロロの名付け親は3才だった頃のトモリだが、幼少期だった為本人は忘れている。
◾️ロロの性質
飼い主の分身であるホムに与えられた役目として、自分の配下であるリヴリーを守る、育てるという役割があるため、ロロはトモリに対してそういう行動を取るよう作られている。
トモリに対して世話を焼いたり気にかけてしまうのは性格ではなく本能によるものが大きい。とはいえ過保護というわけでもなく、余程の危害がない限りは放任して見守っている。
また、ホムがリヴリーの感情を栄養にしているという説の通り、ロロも同じ性質を持っている。その為ロロの空腹度はトモリの感情に大きく影響される。トモリが幸福を感じている時は食事をしなくても満腹感で満たされており食事の量も減るが、トモリに怒りや悲しみなどマイナスの感情がある時は空腹を感じ、通常より多くの食事を必要とする。
感情の変化が全てバレてしまうということもあり、トモリはロロにあまり隠し事ができない。そのこともあり、いつしかトモリはその日にあった些細な出来事や愚痴などをロロに打ち明けるようになる。ロロは相談相手としては役に立たないが、変におちょくってきたり人に言いふらさない(というか言う相手がいない)ので話し相手として最適なのだ。
■中学時代のプチ事件
ロロは本能的に遺伝子の元であるトモリの命令に従うよう作られており、幼少期のワガママはなんでも聞いてしまっていた。トモリはそのような行動が本能によるものだとは思わず、当時のロロに対して命令がないと何もできない自我が弱い奴だと感じていた。
ロロが生まれた時は一人称が「私」でトモリに対しても敬語だったが、幼少期のトモリに「敬語やめろ。あと一人称も俺のほうがかっけーだろ」と言われて口調を修正したという経緯がある。
トモリが中学生の頃、些細なことでトモリがいじけて「もうどっかいけよ!」とロロに言ったら家を出て行ってしまったことがある。本当にいなくなることないだろ、とトモリは泣いていたが、次の日ロロがあっさりと帰ってきて「俺がいないとトモリが困るでしょ」と言った。
それ以降トモリはロロに対し、本気で実行しかねないので下手なことは言わないようにしている。
成長するにつれてロロにも良いことと悪いことの区別がつくようになり、トモリに害のあるようなことはたとえ命令でも実行しないようになった。
だが、命令に従うことを前提に作られたロロは自分で物事を決めるということが未だに苦手である。その為しばしばトモリの許可を伺うような言動を見せることがあり、トモリはロロの自己判断力が欠けていることに対してややうんざりしている。
◾️研究の経過観察
ロロは定期的にバーランド研究所へ赴きアドルフの管理のもと健康管理を行なっているが、その実態はホムとしての役割が正常に機能しているかの経過観察である。
麻酔により眠らせ、ホムの通信能力(/contact)を応用しロロの記憶を読み込んでは記録している。ロロの記憶力がいいのは経過記録を前提に生み出されたからである。
記憶を読み込んでいる間、ロロが見たものや感じたことが一人称視点で脳内に流れ込む。その感覚は夢を見ることに近い。
アドルフとトモリは顔見知り程度の仲だが、記憶を見ている為ロロが知る範囲の情報は把握されている。が、アドルフはトモリには一切興味がない為、あくまで研究に必要な情報の一環に留まっている。
◾️現在に至るまでの生い立ち
バーランド研究所で育てられた親のいない子供達は、自立するまである程度の支援を受けられる。
11才までは研究所内の施設で小学生までの教育を受け、中学の教育は施設内で受けるか外の一般的な学校に通うかを選択することができる。
トモリとロロは11才の頃に家を与えられ、研究所を離れて2人暮らしをすることになった。
11才になったトモリはロロと共に外の中学校に通うことを希望したが、研究所としてはホムを学校に通わせる必要はないと考えており、ロロのみ引き続き施設内で教育を受けることとなった。トモリは研究所からそのことをロロの意志だと伝えられており、一緒に行きたくないのかと酷くいじけたことがある。
ロロは昼間は自宅から研究施設へ赴き教育を受け、帰宅後トモリのために家事を行う生活となる。
高校の教育は施設内では行なっていない為、トモリは中学卒業後、外の高校へ進学した。高校までは研究所の支援で通い、現在は大学に奨学金で通っている。
2人がお揃いで持ってるタグネックレスは研究施設にいた時につけていたもので、管理IDが刻印されている。
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