アドルフの生い立ち
※グロテスク・非人道的な要素が含まれます。
■幼少期
バーランド研究所の研究員として働く両親の元に生まれ、8つ上の兄に可愛がられながら育つ。
アドルフが16才の時、兄がバーランド研究所で働くことが決まり、家族で研究施設の近くにある社宅へ引っ越すことに。
兄に構ってもらえることが少なくなり、研究施設でよく会う当時10才のフィルを構うようになる。当時7歳のトモリ、ロロとすれ違うこともあったが、トモリが恥ずかしがって話そうとしなかったのでほぼ接点はなかった。
アドルフが18才の頃、フィルが独り立ちし施設を出て行く。
■両親の死
当時、バーランド研究所では動物実験(動物あるいはミニリヴリーを使用したもの)のみで、人体実験は行われていなかった。
両親はリブートで産まれたリヴリーにクラシックリヴリーの遺伝子を干渉させ、技(魔法)を使えるようにする研究を行っていたが、この研究は動物実験では効果の確認ができず、結果自らが実験台となり繰り返し薬を投与することとなる。
遺伝子を無理やり組み替えるという危険な内容の投薬を続けて副作用が積み重なった結果、両親は病に侵され亡くなってしまう。
■バーランド研究所の変化
2人の研究員が自らを実験体として亡くなった経緯から、バーランド研究所の地下施設では秘密裏に人体実験が容認されるようになる。
その内容はフラスコで人工的に生み出された新生児、あるいは金銭との交換、つまり人身売買によって手放された子供を対象として薬を投与するものである。
そのうち薬を投与するだけでなく、最初から遺伝子操作で作られた余命の短い赤子や形ない生物、いわゆる失敗作が生み出されるようになる。
失敗作は形を保ったものは食肉としてモンスターに売買し、形を保たず売り物にならないものは地下で飼われている原形モンスターに与えて処分している。
地下施設でこのようなことが行われていることを知っている者は研究員の中でも僅か一握りであり、ほとんどの研究員は知らずに過ごしている。
■兄の死と決意
両親と共に研究をしていた兄は、両親の死を無駄にしまいと研究に没頭するようになる。
しかし人体実験が容認されるようになったにも関わらず、兄は非人道的な行いをすることができなかった。
兄は次こそ完璧だと成功を信じて自らに研究薬を投与するが結果は失敗、両親と同じように病に侵され亡くなってしまう。
兄の死後、アドルフは25才で研究施設に就職。両親と兄の研究を引き継ぎながらも、彼らと同じ過ちは繰り返すまいと思っている。
人体実験に使用されるのは行き場のない新生児や子供達であり、いなくなったところで迷惑はかからないし悲しむ者もいない。それなら動物実験と変わらないのではないか。
そうしていつしか人の心を失ってしまったことに目を瞑りながら、アドルフは研究を続けるのだった。
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